「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか?フレイルとは、加齢とともに心身の活力が低下し、要介護状態に陥りやすい状態を指します。
毎日施術をしていて思うことは、在宅勤務などが増え筋力の低下した現役世代が多いことです。
「フレイル=高齢者の問題」と思われがちですが、怪しい人たちが増えています。
現役世代でも、不規則な生活や偏った食生活、運動不足などが原因でフレイルになる可能性があるのです。
フレイルのサイン:自分や周りの変化に気づく
フレイルのサインは、身体的、精神・心理的、社会的な側面から現れます。これらのサインに早期に気づき、適切な対策を講じることが重要です。以下に、フレイルのサインと、自分や周りの変化に気づく方法をまとめました。
1. 身体的フレイルのサイン
- 体重減少: 意図しない体重減少は、筋肉量の低下を示唆する可能性があります。定期的な体重測定で変化を把握しましょう。
- 疲れやすさ: 以前よりも疲れやすくなったと感じる場合、体力の低下が考えられます。
- 歩行速度の低下: 歩く速度が遅くなったと感じる場合、筋力やバランス能力の低下が考えられます。
- 握力の低下: 握力が低下した場合、全身の筋力低下が考えられます。握力計を使った測定も有効です。
- 立ち上がりや歩行の困難: 椅子から立ち上がる、階段を上るなどの動作が以前より困難になった場合、運動機能の低下が考えられます。
2. 精神・心理的フレイルのサイン
- 気分の落ち込み: 以前よりも気分が沈みがちになった、意欲が低下したと感じる場合、精神的なフレイルが考えられます。
- 認知機能の低下: 物忘れが増えた、集中力が続かないなど、認知機能の変化を感じる場合、注意が必要です。
- 睡眠の変化: 睡眠の質が悪くなった、睡眠時間が極端に変化したなども、心身の不調のサインです。
3. 社会的フレイルのサイン
- 外出頻度の減少: 外出がおっくうになり、家に閉じこもりがちになった場合、社会的なフレイルが考えられます。
- 人との交流の減少: 人と会う機会が減り、孤立感を感じる場合、注意が必要です。
- 趣味や活動への興味喪失: 以前は楽しんでいた趣味や活動に興味がなくなった場合、心身の活力が低下している可能性があります。
4. 自分や周りの変化に気づく方法
- 定期的な自己チェック: 上記のサインを参考に、定期的に自分の心身の状態をチェックしましょう。
- 周りの人の変化に注意: 家族や友人の変化に気づき、声をかけることも大切です。
- 地域や専門機関の活用: 地域で開催される健康チェックや相談会、専門機関の窓口などを活用しましょう。
- フレイルチェックシートの活用: 多くの自治体や医療機関がフレイルチェックシートを提供しています。これらを活用することで、客観的に自分の状態を把握できます。
早期発見・早期対策がフレイル予防には重要です。少しでも気になる変化があれば、早めに専門家や地域包括支援センターなどに相談しましょう。
フレイルの原因:ライフスタイルの見直し
フレイルは、加齢に伴う心身の機能低下によって、健康と要介護の中間の状態になることを指します。その原因は多岐にわたり、複合的に作用することが多いです。主な原因としては、以下の3つが挙げられます。
1. 身体的要因
- 加齢に伴う身体機能の低下:
- 筋肉量や筋力の低下(サルコペニア)
- 骨密度の低下
- 運動機能の低下
- 内臓機能の低下
- 慢性疾患:
- 生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)
- 関節疾患(変形性関節症、関節リウマチなど)
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)
- 心疾患(心不全など)
- 栄養不足:
- 食欲不振
- 消化吸収能力の低下
- 低栄養状態
- 運動不足:
- 活動量の低下
- 筋力や体力の低下
2. 精神・心理的要因
- 認知機能の低下:
- 記憶力や判断力の低下
- 意欲低下
- 精神疾患:
- うつ病
- 不安障害
- ストレス:
- 精神的ストレス
- 社会的ストレス
- 睡眠障害:
- 睡眠不足
- 睡眠の質の低下
3. 社会的要因
- 社会的孤立:
- 地域社会とのつながりの減少
- 家族や友人との交流の減少
- 経済的困窮:
- 収入の減少
- 医療費や介護費の負担増
- 環境要因:
- 住環境の悪化
- 交通手段の不便さ
これらの要因が複雑に絡み合い、フレイルを引き起こすと考えられています。フレイルは早期に発見し、適切な対策を行うことで、進行を遅らせたり、健康な状態に戻ったりすることが可能です。
フレイル予防:今日からできること
フレイル予防のために、今日からできることはたくさんあります。以下に、具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 食生活の見直し
- バランスの取れた食事:
- タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取しましょう。
- 特に、筋肉量維持のために、肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質を積極的に摂りましょう。
- 野菜や果物も積極的に摂取し、ビタミン、ミネラル、食物繊維を補いましょう。
- 口腔ケア:
- よく噛んで食べることは、消化を助け、栄養吸収を促進します。
- 歯磨きや口腔体操で、口腔機能を維持しましょう。
2. 適度な運動
- 有酸素運動:
- ウォーキング、水中運動、サイクリングなどは、心肺機能を高め、全身の持久力を向上させます。
- 筋力トレーニング:
- スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動などは、筋肉量を維持し、身体機能を向上させます。
- 柔軟運動:
- ストレッチやヨガなどは、体の柔軟性を高め、転倒予防に役立ちます。
3. 社会参加
- 地域活動への参加:
- 地域のイベントやボランティア活動に参加し、社会とのつながりを保ちましょう。
- 趣味活動:
- 趣味のサークルや教室に参加し、楽しみながら交流を深めましょう。
- 家族や友人との交流:
- 積極的に家族や友人と会い、会話を楽しみましょう。
4. その他
- 睡眠:
- 質の良い睡眠は、心身の健康維持に不可欠です。
- 規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
- ストレス管理:
- ストレスは、フレイルを進行させる要因となります。
- リラックスできる時間を作り、ストレスを解消しましょう。
- 定期的な健康チェック:
- 定期的に健康診断を受け、自身の健康状態を把握しましょう。
これらの対策を日常生活に取り入れることで、フレイルを予防し、健康寿命を延ばすことができます。
まとめ:フレイルを知り、健康寿命を延ばす
フレイルは、早期に気づき、適切な対策を行うことで、健康な状態に戻ることができます。
「自分はまだ大丈夫」と思わずに、日々の生活習慣を見直し、フレイル予防に取り組みましょう。
フレイルについてもっと詳しく知りたい場合は、専門機関や医療機関にご相談ください。
私たちは皆、年齢を重ねます。しかし、健康寿命を延ばし、充実した人生を送るために、フレイルについて知り、今日からできることを始めてみませんか?
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